カブリダニの発育ステージ

Developmental stages of phytoseiid mites

カブリダニは,卵,幼虫,第1若虫,第2若虫を経て成虫に発育する.幼虫の脚は6本で若虫および成虫の脚は8本である.第1若虫と第2若虫の間に明瞭な静止期はないので,実体顕微鏡で両若虫ステージを識別することは難しい.飼育実験では,脱皮殻を観察し,次の第2若虫に発育したと認識する.プレパラート標本では,周気管の長さと腹面の毛の配列で両若虫ステージを識別できる場合がある.ここでは,ケナガカブリダニを例として説明する.

周気管による識別

幼虫ステージには周気管がない.第1若虫では第IV脚基跗節付近にある気門から第III脚基跗節付近まで伸びる周気管がある.第2若虫では,第IV脚の基節付近にある気門から第II脚基節付近まで周気管が伸びる.成虫になると周気管の先端が前方(顎体部付近)まで伸びる(ただし,先端位置は種により異なる).

腹面の毛の配列による識別

第1若虫では,胸板毛に相当するST1, ST2, ST3および腹腔板毛に相当するJV1, JV2, ZV2が生える.第2若虫の♂では,第1若虫の毛に加えて,ST4, ST5が生える.第2若虫の♀では,第1若虫の毛に加えて,ST4, ST5およびZV1, ZV3, JV4が生える.なお,両若虫ステージの胸板,生殖板は不明瞭で,肛門の周辺に腹板が観察される.

発育ステージの詳細を,雌の発育ステージ と 雄の発育ステージ に示す.